Pushuke magazine
2025/05/26 21:55
【 お店のひと 観察記✍️ 】

実店舗はないけどひとつの店をやる者として、
訪れたお店の“中の人たち”を意識している。
めちゃくちゃリスペクトする気持ちだったり
どうやって運営してるのかと探る気持ちだったり
大変ですよねぇ…とお察しする気持ちだったり。
あっ、でも「いいな〜」とは思わないかも。
私は人前に立つよりネットが好きな引きこもりなので
たまの出店でもよく体調を崩しがちというか。
店に立つ方々ひたすらリスペクトというか。
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近ごろ心動かされたのは先日訪れた
名古屋 本山の雑貨店 sahanさん。
作家さんものだったりヴィンテージだったり
審美眼の光る暮らしの道具たちが並び
長く愛されている雑貨店さんです。
レジで品物を包みながらお客様ひとりひとりと
しっかりとコミュニケーションをとっているので
付近をゆるりと眺めながら、ちょっと待つ。
それを急かすような人は、たぶんここには来ない。
実店舗ならではの暖かな人と人の関わりは
何気なく聞いていても、耳心地のよいもの…。
ついに合間をみつけてガラス鉢をふたつ持っていくと
「今日はどこから来られたんですか?」なんて
声をかけてくださり、人見知りの私とお友達も
つい笑顔で答えてしまうような気さくさ。
その後も、さっき見ていたのをご存知だったのか
古い時代の瀬戸焼について説明してくださって、
思わず追加で欲しくなってしまう…楽しい悩み。
結局は取り扱うモノに対しての愛。
モノを介して繋がりの生まれたお店とお客様、
そのあいだにはそういった“好き”から生まれる
高揚感や喜びが流れていて、それは伝わってゆく。
私も出店の時やSNSでの発信など
そのモノと出会った時の新鮮な気持ちを
いつも語れるようでありたい…そう思わされました。
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また、同じ日に立ち寄った書店 ON READINGさんは
個性豊かな選書でワクワクさせられるのはもちろん
買った本の袋に添えられていたペーパーがまた良い。
私もいつも素敵なお店に出会うたび思うのですが
「このお店の人ってどんな人なんだろう」
そういった自然な関心にしっかり応える
受け皿作りをされているんだ…と感じました。
ニュースレターというWEB上の配信マガジンやSNS
発行されているペーパー上の対談、コラムなど、
お店をやっている方の人柄そして思考に絡めて
余す所なく本への愛を感じさせる。
思わずその熱量にあてられて「これも読みたい」と
心動かされるのは、本当に人と人ならではのこと。
そういった温度のある発信を、私も続けていきたい。
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“お疲れ仲間”と訪れた安城市のcafe canroさんは
ゆったりとした和室から横並びで眺められる
和風庭園と鯉の泳ぐ池がなんとも心休まる場所。
免疫をケアしてくれるハーブティーや
効かせた岩塩はエビに合わせた海の塩を
そういったお話や、目にする風景に肩の力が抜ける。
お手洗いの空間にまでただよう丁寧な印象は
この場所を愛しているのがまず第一に
店主さんなのだと自然と伝わってくるものでした。
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最後は昨日、日曜日の夜に訪れた安城市の
Hachihareさん。
素材にこだわったイタリアンのお店。
はじめてなので伺う前に電話してみると
ちゃんと駐車場のことまで案内してくださる。
駐車場のことって、いつも何気に不安になるもの。
さらに電話の最後の確認の「それでは、7時ごろ」の
「ごろ」の優しさと心のゆとりに胸打たれました。
数分ぐらいなら遅れそうになっても
慌てたり遅刻の連絡をしなくたっていい…
そんなゆったりとした約束のようで。
( 違ったらごめんなさい…!!)
お店で頂いたお料理や飲み物のひとつひとつは
味がすべてを物語っている…
余りあるこだわりとセンス。
最後にお店の外までお見送りしてくださり
出た瞬間に「また来よう」と思わされてしまう。
ぐっと心掴まれるのは押しの強さでなく、優しさ。
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お店とは、お店の“人”の美学が感じられる場所。
結局 “人” そのものなのだと思う。
私ひとりで運営している小さな小さなこの店も
顔を合わせる訳ではないけれど文章や写真を用いて。
店があるから繋がりのできたお客様ひとりひとりへ
優しさや想いの伝わるような店でありたい。
そんなことを思いました☺️